最初に繁華街を抜けて、坂道に踏み込んだ
冷泉を抜き、顔の上半分を覆っていた仮面を投げ捨てた
法子が先頭に躍り出る。
だが、法子の独走も長くは続かなかった。
前傾姿勢、最高速度で突っ込んで来た
淼が法子を追い越すと、ほとんど同時に
翔、
昌利、
峻も後に続いて、淼に並んだ。
坂道を舞台に、上位陣は激戦を繰り広げる。
上位陣の中で抜きつ抜かれつを繰り返す
慧悟と
里桜も、どちらも譲らないままじわじわと順位を上げて来た。
「やるからにはマジ本気ッス!」
允も、部活とバイトで鍛えた脚力を存分に発揮し、一気に上位に食い込んでみせる。
「魂を……燃やせぇぇえええ!!」
自らを鼓舞するように吠えた
クーガーの声に追われるようにして、先頭集団は武蔵坂学園のトラック、最後の直線勝負に駆け込んだ!